にちゃん 名人。 松岡修造 vs 絶望名人カフカ、どっちに共感する? ポジネガ名言・5番勝負!

羽生善治とは (ハブヨシハルとは) [単語記事]

にちゃん 名人

「お酒のシメにピッタリ」ペペロンチーノとは? 料理の名人に 「家庭でできる手軽な一品」を教えてもらうシリーズ、今回訪れた街は、の。 ここに、なんとオールナイトで 朝9時まで営業しているイタリアン&洋食のお店があります。 しかもそこは、「めっちゃおいしい!」「何度も食べても、ぜんぜん飽きない」 「特にペペロンチーノが、お酒のシメにピッタリ」と評判の声が高いのです。 「朝9時まで営業」ということは、終電あとのミッドナイトでも、しっかりと食事ができるわけですね。 酒場が多いミナミ地域は、深夜にちゃんとした食事が摂れる店が意外と少なく、本当にありがたい。 それにしても 「お酒のシメにピッタリなペペロンチーノ」って、いったいどういうものなのだろう。 ペペロンチーノは、とってもおいしくて、大大大好物。 けれども、オイリーでガーリックなイメージが強い。 お酒のあとには、むしろむいていない気がするのだけれど……。 ちょんまげ頭の「ペペロンチーノ侍」が登場 「お酒のシメにピッタリなペペロンチーノ」、ぜひとも食べてみたい。 せっかくなら レシピを教わりたい。 そう考え、やって来たのはのなかでも、とくに雑居ビルが建ち並ぶエリア。 小さなバーやスナックが櫛比(しっぴ)し、ムード歌謡が似合いそうな街。 辿り着いたお店の名は、ズバリ! 「深夜食堂ペペロンチーノ」 店名が、いきなりペペロンチーノとは、よほど自慢のメニューなのでしょう。 期待感がたかまります。 では道場破りになった気持ちで扉を開けますぞ。 頼もう~! お? そこにいらしたのは、なんと、 武士!? 10席10坪のカウンタースタイルの店内。 シェフはそこに、しっかり月代(さかやき)を剃りあげた ちょんまげ頭で、襷掛(たすきがけ)をし、腰には大小の刀を差し、凛々しい姿で立っておられました。 「 442歳です。 この店をオープンして、408年が経ちました」と、さっそく不思議な世界へといざなってくれます。 やっぱり、料理界は 今も昔も戦国時代なんですね。 そんな後藤さん、本業の料理は凄腕。 フレンチ6年、イタリアン6年。 フレンチに至っては プリンスホテルのチーフを担うなど、包丁で頭角をあらわした、 言わば剣豪。 後藤さん念願の開業だった「深夜食堂ペペロンチーノ」は、パスタだけではなく、オムライスなど洋食も充実しています。 「ペペロンチーノはスープたっぷり」が侍の流儀 そんな後藤さんに、お訊きしたい。 こちらのペペロンチーノは「なぜお酒のシメに合うのか」。 後藤さん(以下、敬称略):それは、うちのペペロンチーノが、 スープたっぷりだからなんです。 え、スープ? ペペロンチーノに? スープタイプのペペロンチーノって、見たことも聞いたこともないです。 けれども深夜なので、オイルまみれのパスタよりも、 油分を控えたスープにひたそうと。 器ごとスープを飲んでいただいてもいいかな。 つゆだくのペペロンチーノですか。 酔い覚ましにも、よさそうですね。 後藤:もともと、このお店を始めた理由が「深夜に洋食やイタリアンが食べられる店って、ないよなあ」ってことでした。 仕事終わりや仲間とお酒を飲んだあと、「おいしいパスタが食べたいな」と思ったとしても、行けるお店がない。 だったら、 「自分でやろう」と考えたんです。 いやあ、貴重な深夜食堂の開店、ありがたいです。 もう地域貢献ですね。 毎日セットを欠かさない「ちょんまげ」 そして、どうしても気になるのは、後藤さんの SAMURAIファッション。 なぜ、お侍さんの格好をしているのですか。 後藤:開店当時は、僕はごく普通のシェフだったんです。 ただある日、食のイベントに参加する機会があり、インパクトを残したくて侍の格好をしました。 すると「似合っている」とひじょうに評判がよくて。 学生時代は弓道部でしたし、 精神統一のために居合抜きも習っています。 もともと和服には親しんでいたんです。 い、居合抜きですか! 包丁のみならず、日本刀の心得がおありだったとは。 とはいえ、「ちょんまげ」まで結ってしまうとは、どえらいご決断。 お手入れ、たいへんじゃないですか。 後藤:たいへんです。 飲食店なので清潔に、アルコールシャンプーで丁寧に洗ってから結います。 どうしてもセットに1時間弱かかります。 着物に似合う髪型を考えると、やはりちょんまげに行きつきますから、仕方がないですね。 実家の蔵から家系図が出てきまして、家系をさかのぼってゆくと、後藤又兵衛に辿りつくんです。 それで、あやかりました。 ええ! 後藤又兵衛の墓は確か県にありますよね。 ということは、後藤さんは、もしや 英雄の末裔? 後藤:う~ん。 その家系図がなにを意味したものかがわからないし、末裔であるとは言えないです。 ただ、こうして自分は侍の格好をしているので、ご縁は感じます。 あえて細麺で「つるつる」感を ではいよいよ、そんな武士としての気高さをいだく後藤さんに、店名にもなっているご自慢の、 つゆだく「ペペロンチーノ」のつくり方を教わりたく候。 後藤:ご家庭でつくれるレシピを、お教えいたしましょう。 痛み入ります。 秘伝「ペペロンチーノ」の免許皆伝! よろしくお願いいたします! ペペロンチーノ(1人前) 【用意する食材】• スパゲッティ 直径1. 4mm• 鷹の爪 2本(お好みで)• 玉ねぎ 4分の1玉• ベーコン 40グラム• にんにく 大きめ3かけ• コンソメ(粉末) 8グラム• 塩 4グラム• サラダオイル+オリーブオイル 30ミリリットル• 水 150cc• カエンペッパー(赤唐辛子の微粉末。 玉ねぎとベーコン、にんにくをサクサク刻んで……。 素材にポリシーはありますか? 後藤:にんにくは中国産を使います。 スーパーマーケットで売られている安いものでいいですよ。 高級な国産品を使うと、香りが強くなりすぎるようです。 鷹の爪を用いますから、にんにくの刺激は控えめに。 なるほど、国産がベストかとつい思い込んでました。 鷹の爪のピリ辛を活かすために、にんにくは脇で助太刀する感じですね。 スパゲッティは直径 1. 4mm。 ずいぶんと細いものを使うんですね。 なにゆえに? 後藤:細めのスパゲッティのほうが、のど越しがいいですから。 「つるつるっ」と召し上がっていただきたいんです。 それに1. 4mmだと3分~5分で茹であがります。 さっと湯がいて、できたてのアツアツをささっと食べる。 そういうスピード料理です。 とはいえ、もちろん太さは、お好みでかまいません。 「のど越し」で味わうペペロンチーノですか。 楽しみですね。 でも……1. 4mmだと、すぐに麺の中心まで茹であがってしまって「アルデンテ」にするのが難しいのでは。 後藤:僕ね、 アルデンテって、まったく気にしていないんです。 ええ、意外な発言! そち、それはまことか。 後藤:「スパゲッティはアルデンテ状態がいい」「パスタは歯ごたえがなくてはならない」という考え方に、みんな縛られすぎていますね。 「アルデンテになっていないから、おいしくない」って、そんなことはないんです。 たとえ芯まで柔らかくなっていても、決してのびているわけではないですから。 茹ですぎでも、反対にカタカタでもかまわない。 自分の好みの硬さ加減で食べればいいですよ。 それがし、ちょこざいな固定観念に縛られておりました。 めんぼくない。 確かに、そうですよね。 それに、お酒のシメに食べるのだったら、細い茹でたてスパゲッティのほうが胃にやさしそうですもん。 麺を茹で始める 次なるステップは熱湯に塩を入れて、 パスタを茹で始めます。 オリーブオイル+サラダ油を合わせる理由は…… こちらは熱したフライパンに、まず鷹の爪を。 まだ油は入れず、さっと 乾煎りして香りを強めておきます(ここ、ポイント)。 そこへサラダ油+オリーブオイルを注ぎ、にんにくが参上。 「じゅわ~」 くぅぅ、いい音するなあ。 この場合、油は サラダ油とオリーブオイルを半々で使うのですか。 オリーブオイルのみのほうが、贅沢感がありませんか。 後藤:いやあ、オリーブオイルだけだと、ちょっとクドいです。 香りが強すぎるんですね。 ペペロンチーノはシンプルな料理。 なので、バランスが大事なんです。 素材の持ち味を「抑える」感じでつくっていった方が、味が整うんです。 シンプルなひと皿だからこそ、それぞれが前に出すぎないように調理するんですね。 一騎討ちの料理ではないんだな。 「香りこそが、お客様へのサービス」 熱したフライパンに、たまねぎを入れ、ベーコンを入れ……。 ベーコンの脂がとろとろにとろけ、玉ねぎに沁みてゆきます。 うわあ、とてつもない、いい香りですね。 上様、食欲がご乱心です。 ちょっとこれはヤバいですぞ。 後藤:にんにくの香りがたちのぼって、ベーコンの脂が溶けた香りがして、いいでしょう。 この香りこそが、お客様へのサービスです。 お客様からは、よく「ビルのエレベータの扉が開いた瞬間にペペロンチーノのいい香りがする」と言われるんです。 いやはや、恐悦至極。 すばらしい香りに、うっとりします。 後藤さんがペペロンチーノの極意として「控えめ」「抑えめ」とおっしゃっていた理由が、よくわかります。 これ以上にフレーバーが強いと、抵抗感をおぼえるかも。 乳化に加えて「追い水」も そして、パスタの茹で汁を、炒めた具材のなかに。 これは、よく耳にする 「乳化」(本来混ざらない水と油を同化させること)ですか。 後藤:そう、 乳化です。 言わば、ソースをつくる作業ですね。 玉ねぎがしんなりとし、とろみが出てきて「ぷつぷつっ」という音がするでしょ(確かに聞こえてくる)。 これが聞こえたタイミングで、茹で汁を油に注ぎます。 お玉一杯分くらい。 ただ、うちはスープパスタのような感覚で召し上がっていただきたいので、 茹で汁だけではなく150㏄の水を加えます。 というわけで追い水を追加。 ほほ、おつゆたっぷり。 すでにスープとして、おいしそう。 茹で汁に加え、水を加えたことで香りがまろやかになりましたね。 このまま、ぐぐっと大盃で飲み干したいほどあっぱれです。 コンソメは「スパゲティを茹でる鍋」に投入! お? コンソメですね、これは。 これをフライパンの具材側じゃなく……スパゲッティを茹でている麺に投入! フライパンの具材の方ではなく、 スパゲティを茹でる方の鍋に? これはかなりの意外なポイントです。 なぜなのですか。 後藤:スパゲッティに、うまみを沁みこませるのが目的です。 ちょっとスパゲッティを「炊く」感覚ですね。 うちではいつもはスパゲッティと野菜を一緒に煮て、うまみを封じ込めるんです。 けれども、コツが要りますし、材料費もかかります。 ご家庭ではコンソメでいいと思います。 御意! いよいよ終盤。 茹でたて麺を具材と混ぜ…… ほんのりコンソメ風味がついた茹で上がりのスパゲッティを熱湯から引き上げて、フライパンの具材とからめ…… 底が深めのお皿にスパゲッティを盛りつけ(丼でもOKとのこと) おつゆをそそぎます。 最後の仕上げは極めつけ、 「エクストラバージンオリーブオイル」をとろり。 ああ、献上品のような高貴な香り。 卒倒しそう! 可能であればオリーブオイルは2種類を。 二刀流だ。 お好みで「パプリカパウダー」「カエンペッパー」「ブラックペッパー」をふり…… 完・成・です! は、早い! あっという間だ。 だって、作り始めて 5分かかっていないですよ。 喉越し最高。 お箸で食べるのがイタリアン武士道 後藤:やっぱり、食べたくなったら、すぐに食べたいですよね。 フォークもいいですが、お箸をどうぞ。 お箸で、すすすっとすすってください。 かたじけない。 スープがひたひたで、スパゲッティというより、ラーメンを思わせる見栄えですね。 では、いただきます! うん、うまい……。 うまさが沁みる。 五臓六腑に沁み渡ります。 白ワインと合う合う。 細くてアツいスパゲッティが心地よく、 つる~んと喉を通ってゆく快感。 ペペロンチーノで、これは初体験。 お酒とともに&お酒のシメに、なるほどぴったりです。 キリリとした辛みの鷹の爪を主君にし、素材が陣を組んでいるかのようなチームワーク。 すばらしい均質感ですね。 「カエンペッパー」が想像以上に、いい仕事をしているな。 うちにも常備しよ! 玉ねぎやベーコンのうまみたっぷたぷなスープが、これまたもお絶品。 なんと愛しいやつじゃ。 飲み会のシメにごくごくいただいたら、たまらんじゃろなあ。 このスープを飲みたいがために、あえて二日酔いになりたいほど。 ありがたき幸せ。 おぬし、やりますな。 後藤:ペペロンチーノは、もともとは家庭料理です。 イタリアでは、扱っていないお店があるくらい「おうちで食べる料理」なんです。 こうするのが王道だとか、これをしては邪道だとか、そんなことはなにも気にせず、楽しく調理して食べていただきたいですね。 ペペロンチーノは、シンプルだからこそ多様性に富む、イタリアンの原点のような食べ物なんですね。 素材も茹で加減もお好み次第の千差万別。 だからおもしろい、だから楽しい。 今日はペペロンチーノ侍に、それを教わりました。 さぁ、おのおのがた、固定観念の呪縛にとらわれず、それぞれ思い思いのペペロンチーノをつくってまいろうぞ。 侍シェフ・後藤さんの料理が食べたくなったら ナニワの名物シェフ、後藤さんの料理を食べてみたい……生ちょんまげ見てみたい……と思った方はぜひにある 「深夜食堂ペペロンチーノ」へ。 たとえ終電逃しても朝まで営業しているので心配ご無用。 さぁ皆の衆、心ゆくまで楽しもうぞよ! 店舗情報 深夜食堂ペペロンチーノ 住所:府市中央区筋2-2-10 新日本三ツ寺ビル 3F 電話:06-6210-4222 営業時間:19:30~翌9:00(L. O8:00) 定休日:不定休.

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羽生善治とは (ハブヨシハルとは) [単語記事]

にちゃん 名人

いまやCM好感度ナンバー1の呼び声も高い、松岡修造。 彼の行く先々では、なぜか気温が上昇するといった都市伝説も有名ですが、それ以上に熱いのが超ポジティブなエール。 でも、どれだけ気張っても前向きになれない。 そんな人たちの支えとなっているかもしれないのが、4年前に発売された『絶望名人カフカの人生論』。 その名の通り、誰の背中を押すこともない格言の数々を収録。 そしてこの6月にはいくつかのフレーズをもとに『』(飛鳥新社)も刊行され、静かに支持され続けていることがうかがえます。 この好対照な両者の言葉。 人は一体どちらに強く惹かれるのでしょうか。 というわけで、ここからはお互いの名言を直接戦わせてみたいと思います。 題して「修造 VS カフカ 究極のポジネガ5番勝負」。 その人生と言葉を、女性誌でもお馴染みの平松昭子さんがマンガ化したのが『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』です。 カフカのネガティブさとヘンテコさは、もう笑ってしまうほど。 たとえば、恋人に毎日手紙を送って、いかに自分が弱くて結婚に不向きかを切々と書く一方で、プロポーズをする。 で、婚約したら重みに耐えかねてソッコーで解消すること3回。 カフカは自分のことを「無能、あらゆる点で、しかも完璧に」と書いています。 ダメ男と付き合っている女性にオススメしたい1冊です。 カフカの言葉は『絶望名人カフカの人生論』(編訳・頭木弘樹)より引用。 <TEXT/比嘉静六>.

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【将棋】藤井知識ゼロの俺に藤井のすごさ教えてくれ

にちゃん 名人

よろしくお願いします。 プロの定義は簡単ではないですが、たとえば将棋だと、養成機関を優秀な成績で抜けた将棋専業の棋士、女流棋士というプロがいます。 一方で連珠は、皆さんそれぞれの立場があって、競技に参加してるってことですね。 藤田「そう、アスリートに近いかな。 ただ、中国はプロ化してて。 チェスみたいにプロとアマチュアが一緒に棋戦に参加してます。 上海棋院とか、地区ごとの棋院があって、そこに所属の選手がいて対抗戦やったり。 政府が頭脳スポーツを奨励して支援したり企業も協賛したり手厚い環境で。 たまに日本のA級棋士の人が中国に招待されて指導したりすることもあるみたい。 そういう時中国では日本の将棋界みたいにちゃんとした先生として扱ってもらえる。 でも日本では『連珠棋士』って言っても知名度がないじゃない? だから連珠棋士の地位を高めたくて、まずはスポンサーがちょっとでもあるといいなと思ってて、自分が連珠がんばってる理由の一つに、知名度をあげたり、いい成績を残してスポンサーを探したいなっていうのがあります。 対局場の芝公園・紅葉館に囲碁、将棋、そして連珠の名人が集まった様子が川端康成『名人』に書かれています。 碁の名人の対局を将棋と聯珠の名人が観戦する。 新聞社が招いて、名人をそろえたのだ。 高木名人の次に、観戦記者の私が坐っていた。 藤田「西日本新聞が棋戦を主催していたこともあったり。 イベントでも任天堂がスポンサーになったりしてたんだけど。 もう圧倒されただけです。 情報量が多すぎて、なかなか追いつけません。 藤田「連珠の人たち、純粋な公益社団法人なのよ。 『寄付金だけでやってます』みたいな感じで。 すごい楚々としてるから。 私はガツガツしてるわけよ、わりと。 先人はそうした時代のことを切々と書き残しています。 それを思うと、藤井ブームに沸く現代の将棋界は夢みたいな状況かもしれません。 どんな分野でも経済的に恵まれない時代を支えた有名、無名の人たちは素晴らしいと思います。 藤田さんは異例の晩学組なんですよね。 藤田「21歳、大学3年の時に将棋に出会って『これだっ!』って思っちゃって。 大学の最寄り駅まで校舎から全速力で走って。 (将棋会館のある)千駄ヶ谷に行きたいばっかりに。 藤田「親もそれを聞いた時に『なに言ってんだ?』って思ったから、特にツッコミもしなかったんだよ。 それもまた素晴らしいことです。 藤田「強くなるのはけっこう速かったんだよね。 でもプロになってからはすごく低迷して。 職業としての女流棋士は適性がなかったんだよね。 結局一番よかった成績が(2003年度、予選で3連勝して)女流王将戦の本戦入り。 女流1級に昇級できたんだけど、それで終わって。 毎年ほとんど予選で1、2回戦負けっていう成績で、6棋戦か7棋戦ぐらいしかなかったから、年間10局以下で過ごすっていう生活を続けてた。 最初は塾講師のアルバイトして、対局料だけじゃ生活できないからさ。 だけどある日『これをやってても将棋になんにもつながんないな。 すべて将棋関係の仕事で稼ごう』と思って辞めて。 稼ぐっていっても、目標月15万だからね。 それでいろんなバイトをしたんですよ。 たとえば将棋ソフトの苦情受付の電話応対とか。 本の校正とか。 将棋に関わるいろいろなことをやって。 藤田「人のために役立つ仕事とか好きな方だし。 そんなこんなやってるうちに、観戦記とか、原稿を書く仕事とか、お兄さん(松本)に『明日空いてる? 空いてたら順位戦中継して』みたいな。 ずいぶん、カジュアルに頼んできたよね。 『あ、残念ながら空いてるわ』って感じでうっかり中継記者になったりとか。 そういうスキマ仕事をいっぱい積み重ねて。 そうこうするうちに、どうぶつしょうぎをデザインしたり。 でもやってることはバラバラだけど、将棋の魅力を世に知らしめるためという意味では一貫してた。 プロ棋士の一つの使命でしょ、それって。 里見香奈さん(現女流四冠)はトーナメントに打ち込む姿で将棋の魅力を伝える。 一方、底辺の藤田麻衣子さんはあの手この手で、時には(どうぶつしょうぎの)らいおんを描き、時には中継記者として棋譜を入力し、対局室で写真を撮り。 ありとあらゆることをして、将棋の魅力を世に伝えようとしていたわけです。 そしたら私が子どもを産んでる間に、女流棋界が分裂して。 (中略)これさあ、面白いからYouTubeに流そうぜ。 できるだけ文字起こしはしますけど。 で、藤田さんはLPSA(日本女子プロ将棋協会)に所属して。 藤田「まあ成績も毎年ぱっとしない感じだったんだよね。 『連珠世界』(公益社団法人・日本連珠社の機関誌)にも書いたんだけど、引退を決意した対局っていうのがあって。 (2009年11月に)山口恵梨子ちゃん(現女流二段)と対局したんだよね。 で、あっさり負けて。 その時『一日無駄にしたな』って思っちゃったの。 この時間があったら『駒込の(LPSAの)事務所でどんだけの仕事ができたんだろう。 もっとやりたいこといっぱいあったのに』って思ったのね。 将棋を指した日にそんなことを考えたのが初めてだったのよ。 それで『今日をもって私は辞めることを決意しよう』と思ったの。 それが秋ぐらいで。 (年明けの)3月で辞めようと決めた。 将棋って負けが込むと、どんどんわるいイメージが積み重なって、対局すること自体が前向きな気持ちになれなかったりするじゃん。 だけど辞めると決めた後は何も怖くなくなったのね。 『最後だし好きな戦法を指そうかな』みたいな感じでやってたら、最後だけ将棋の調子がよくて。 (2010年1月)LPSA主催のペア将棋選手権で鈴木貴幸さん(アマ強豪)と組んで優勝したんだよ。 中井さん(広恵女流六段)たちに勝って。 それが私の唯一の優勝記録」 2010年、ペア将棋選手権で優勝(撮影:松本博文) 藤田「(2010年3月)最後のけやきカップ(1dayトーナメント)が準優勝だった。 最後にそうやっていい成績で終われたから。 降級点取って去るより(規定では成績下位者に降級点がつけられ、それが積み重なると引退)私としては、すごくいい終わり方だったんだよね。 寡黙な人よりは饒舌な人の方が、インタビュアーとしては助かります。 そういうわけで、将棋のプレイヤーとしては、納得する形で辞めたんですね。 藤田「そうですそうです。 藤田「そうです。 自分が勝負事が向いてないと思いこんでたから、まさかもう一度競技をすることになるとはまったく思ってなくて。 藤田さんはもともと、将棋をやる前は囲碁をやってたんですよね? 藤田「子どもの頃、一番最初にやったボードゲームは囲碁です。 囲碁をやるきっかけになったのは、近所の児童館でやってたオセロ大会で優勝したのね。 父が囲碁やってたから、娘に囲碁をやらせる機会をうかがってたのよ。 オセロ大会で優勝した日に、すごいその気になって『あたし、囲碁もやるー!』みたいな。 でも囲碁は才能がなかった。 毎日、碁会所に行ってたのね。 それで初段ぐらいにしかならなかったのよ。 中部には羽根直樹君(三重県出身、現碁聖)っていう天才がいて。 こっちは大会とかで後ろでおとんが見てて。 『うっとうしいなあ』って思いながら、いやいややってたわけ。 だから全然伸びなかった。 (大学在学中に)将棋をやり始めたきっかけも、囲碁をもう一回やってみたいなと思って。 たまたま一緒にいた友達が将棋しかルール知らなくて。 やってみたら『将棋の方が自分の性格に合ってたわ、あたしが求めていたのは将棋だったんだ!』と思って。 『将棋がファム・ファタール(運命の女性)だ!』と思ってたんですよ! ところがですよ! 将棋よりハマるものがあるとは思わなかったよね、マジで。 『将棋が100パーセント正義』みたいな価値観で十年以上生きてきたわけですよ。 ただし一方で世界には同じように奥深くて面白いゲームがいくつも存在する。 でも将棋をやってる人はついつい『将棋こそキング・オブ・ゲームなり』と思ってしまいがちかもしれませんね。 藤田「連珠に興味を持ったきっかけは、将棋の普及活動をしてるうちに、イベントブースとかで他のボードゲームの人たちとも知り合ってお話を聞くんだけど。 私は囲碁と五目並べって、兄弟のように思ってたのね。 そしたら岡部さん(寛九段)っていう連珠の棋士が『いや違う、連珠は限りなく将棋に近いゲームだ』って言うの。 『えっ、そうだったの?』って思って。 それでまず興味を持ったのね。 藤田「五目並べも、石が5個並ぶまでのスピードを競争するのね。 将棋で『王手』『詰めろ』『一手すき』『ゼット』(絶対に詰まない)とかあるじゃん。 速度計算。 あれがすべて連珠でも同じなんですよ。 将棋の終盤の考え方が全部応用が効く。 『じゃあ連珠って何手ぐらいで終わるの?』って言ったら、だいたい三十手ぐらいだっていうの。 早いと十手で終わることもある。 要するに、3手目ぐらいから終盤なの。 4手目、5手目から『詰めろ』の連続。 序盤は『詰めろ』以外の手をやったら負けちゃうぐらいの、それぐらいシビアな戦い。 である日ふと、『そういえば私、駒組とかあんま興味なかったわ』って気づいたの。 それより駒がぶつかってからの最終盤が楽しかった。 将棋を始めた時も『詰み』って状態が面白くてハマっていった。 藤田「そう! 面白いのは、囲碁の人も連珠を始めるとすごく強いの。 ところがね、棋風が空間型なの。 将棋系の人は連珠でも速度概念がしっかりしててすぐにコツをつかむ。 囲碁の人は、相手に打たれたくないいい場所、どっちが先に好点を押さえるか、みたいな、そういうのが上手い。 囲碁って「地」(じ)の取り合い、領地の争いじゃん。 そういうバックグラウンドの違いで、棋風に違いが出てきたりするんですね。 藤田「する。 牧野さんも連珠が大好きなんですね。 藤田さんと牧野さんは最近、大の仲良しのようですが。 藤田「そうなんです。 なんで牧野さんと仲良くなったかっていうと・・・」 (次回に続く) 連珠で対局する将棋棋士の牧野光則五段(撮影:藤田麻衣子).

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