むべ 山風 を あらし といふ らん。 百人一首/文屋康秀(ぶんやのやすひで)

百人一首22番(by崇石)

むべ 山風 を あらし といふ らん

【2001年9月20日配信】[No. 山沿いの土地では、斜面から降りてくる山風。 まるで嵐のよう に激しく吹き荒れ、冬の到来を予感させますね。 昔は夜になると、縁側の戸板ごしに大風が吹き荒れている様が 聞こえてきたものです。 見えないとその凄さはよりいっそう激し く感じられるのでした。 今回紹介する一首は、そんな秋の嵐を詠んだ名句です。 なるほど、だから山風のことを「嵐(荒らし)」と言うのだなあ。 「からに」は複合の接続助詞 で、「〜するとすぐに」という意味を表します。 【しをるれば】 「しをる」は草木が色あせてしおれる意味の動詞で、その已然形 に原因・理由を表す接続助詞「ば」が付いています。 【むべ】 「なるほど」と言う意味の副詞。 上の句で示された根拠を踏まえ 「なるほど、だから山風を嵐と言うのか」と理由を推理して納得 しています。 【山風】 山から降りてくる強い風で、晩秋に吹き、冬を予感させます。 【嵐といふらむ】 「らむ」は推量の助動詞で、「嵐と言うのだろう」という意味に なります。 「嵐」は「荒らし」との掛詞で、秋の草木を荒らして 枯れさせるので「アラシ」と言うのだろうなあ、という意味があ ります。 また「山」と「風」の漢字2文字を合わせれば「嵐」に なるという遊びも盛り込まれています。 生没年不明) 9世紀頃の平安初期の歌人で、別称・文琳(ぶんりん)。 形部中 判事、三河掾(みかわのじょう)、縫殿助(ぬいどののすけ)な ど官職は低かったのですが、六歌仙の一人で歌人としては有名で した。 三河掾になって三河国(現在の愛知県東部)に下るときに 小野小町を任地へ誘った話が有名です。 この歌はそうした漢字遊びを取り入れながら、山を転がり落ち てくる晩秋の激しい風の様子を詠んだ歌でもあります。 「古今集」の詞書には「是貞(これさだ)の親王(みこ)の家 の歌合の歌」とあります。 漢字遊びを取り入れたところが、歌会 にふさわしくトリッキーな感じで、康秀の機知に皆はさぞかし感 心したことでしょう。 なるほど、だから山風のことを草木を荒らす「荒ら し」「嵐」と言うのか。 秋の夜に吹き荒れる激しい風の音を聞き、茶色く枯れしおれて いく野の草に、冬の到来を感じながら、康秀はこの「嵐」の歌を 詠んだのでしょうか。 機知や言葉遊びというと軽い感じがします が、この歌にはどこか荒涼とした嵐に、激しいイメージが喚起さ れます。 それに対して小町は、 わびぬれば 身を浮草の 根を絶えて 誘う水あらば いなむとぞ思ふ (落ちぶれていますので、この身を浮き草として根を断ち切って誘 い流してくれる水があるなら、ついて行こうと思います) と答えています。 はたして、小野小町はついていったのでしょうか。 中でも岡崎城のある岡崎公園は 一番の見所。 家康の住んだ岡崎城の他、三河武士の絵図や文献など が見られる「三河武士のやかた家康館」、龍城神社、二の丸能楽堂 などを見物することができます。 桜の名所としても知られています。 訪れる場合は、名鉄名古屋本線に乗り、東岡崎駅で下車して徒歩 15分の距離にあります。

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百人一首一覧表

むべ 山風 を あらし といふ らん

だから、なるほど。 草木をあらす山から吹く風を「嵐」というんだなぁ。 言葉あそびの和歌です。 「山」と「風」という漢字を足すと「嵐」という字になりますね。 「あらし」は「荒らし」の意味で、その言葉に「嵐」という字を当てたのですが、それを上手に詠み込んでいます。 和歌は、このような機知を楽しむツールとしても親しまれたのですね。 文屋康秀は、いまから1100年ほど前のあまり地位の高くなかった官僚です。 第9番の歌人である小野小町(おののこまち)と交流があったことがわかっています。 和歌を詠むのが上手で、第35番の歌人である紀貫之(きのつらゆき)が選んだ、六人の優れた歌人『六歌仙』のひとりにも選ばれています。 旧仮名遣いは、仮名のとおりに発音しないものがあるので連記します。

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みかきもりの気ままに小倉百人一首(落葉のカルタ<吹くからに>)

むべ 山風 を あらし といふ らん

だから、なるほど。 草木をあらす山から吹く風を「嵐」というんだなぁ。 言葉あそびの和歌です。 「山」と「風」という漢字を足すと「嵐」という字になりますね。 「あらし」は「荒らし」の意味で、その言葉に「嵐」という字を当てたのですが、それを上手に詠み込んでいます。 和歌は、このような機知を楽しむツールとしても親しまれたのですね。 文屋康秀は、いまから1100年ほど前のあまり地位の高くなかった官僚です。 第9番の歌人である小野小町(おののこまち)と交流があったことがわかっています。 和歌を詠むのが上手で、第35番の歌人である紀貫之(きのつらゆき)が選んだ、六人の優れた歌人『六歌仙』のひとりにも選ばれています。 旧仮名遣いは、仮名のとおりに発音しないものがあるので連記します。

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