中国 どうなる。 この世界、どうなる?(4)中国は「日本化」すべし:【公式】データ・マックス NETIB

中国の将来はどうなると思いますか?

中国 どうなる

疫病で滅びた歴代王朝と危機を迎えた毛沢東 中国の疫病の歴史をみてみると、既に紀元前から甲骨文に刻まれていて、殷周時代にまでさかのぼることができます。 周初から漢代に至る「大疫」の記録をみてみると、「死者万数」「人多死」というような多くの死亡者が出たことを示す文言が繰り返し出ています。 周王朝が滅亡したのも疫病の拡大が一つの大きな要因ともいわれています。 また、後漢末期にも疫病と凶作が重なり、民衆が苦しむ中、太平道の教祖、張角が道教的な治療法によって病を癒すカリスマ的存在として民衆の支持を集めました。 その張角を中心に黄巾賊が結成され、黄巾の乱が起こります。 この反乱は結局鎮圧されてしまいますが、この乱によって後漢は完全に衰退し、三国志時代を迎えることになります。 ほかにも隋の末期には7回も疫病が大流行し、滅亡の一因になりました。 中国を支配下に収めたモンゴル帝国も中国からヨーロッパにまで版図を広げようとしましたが、ペストに苦しめられ、帝国崩壊がもたらされました。 なお、ペストは14世紀のヨーロッパでも猛威をふるってヨーロッパの人口の約3分の1を感染死させましたが、そのペストはモンゴル軍によってもたらされたと考えられています。 明王朝でも、末期にペストと天然痘が大流行して1000万人近くが死亡したとされています。 弱体化した明は農民の反乱(李自成の乱)によって滅びます。 歴史的にみて疫病というのは大国をも滅ぼす力を持っているわけですが、新型コロナウイルスの蔓延の被害を受けている現代の中国は今後どうなるのでしょうか。 新型コロナウイルスが与える中国経済への影響 そもそも中国経済というのは新型コロナウイルスの蔓延以前に危機を迎えつつありました。 が、報じているように、ワシントンに本拠を置く民間のグローバル金融業界団体「国際金融協会(IIF)」の試算によると、中国の企業、家計、政府の負債総額は、 2019年の第1四半期にGDPの303%に達しています。 その総債務額は40兆ドル超で、全世界の政府債務の約15%に相当するといいます。 財政状況的にいつ破綻してもおかしくないわけですが、新型コロナウイルスの蔓延によって、中国の財政を支える大きな財源の一つ、観光収入も激減することが予想されています。 中国文化観光省によれば、 2018年度の中国の観光収入は国内旅行者と海外からの旅行者を合わせると、5兆9700億元でした。 当時のレートで計算すると100兆円近くになります。 近年の中国は海外からのインバウンド数も安定しており、2018年度は中国本土だけで6290万人、香港は2926万人、マカオは1849万人でした。 合わせると、延べ数で1億1065万人になります。 さらに インバウンドにおける世界の観光収入ランキングは中国本土・マカオ・香港を合わせると毎年のように10兆円を超えており、アメリカに次ぐ2位を維持していました。 中国の観光業がどれほど中国経済にとって重要なのかが分かりますね。 昨年から始まった香港デモでも香港への観光客は激減し、観光業に大ダメージを与えましたが、今回の新型コロナウイルスの蔓延によって、更に海外からのインバウンドだけでなく国内旅行者も激減することが考えられます。 具体的にどれほどのインパクトがあるのかはまだ分かりませんが、中国の民間のシンクタンク「恒大研究院」は、新型コロナウイルスの感染拡大による中国経済への影響をまとめたリポートを公表しており、それによると、 小売り・飲食・旅行などの産業の損失額は春節の連休中だけでも1兆人民元以上になるといいます。 日本円にして約16兆円です。 さらに、影響は建設業や金融業など幅広い分野に及ぶとしています。 そもそも中国の金融に関しては 昨年の銀行ストレステスト(健全性審査)で中国の大手銀行30行の不良債権比率が5倍に上昇するシナリオが想定されていました。 それほど金融業界も危うい状況だったのですが、それに追い打ちをかけるように新型コロナウイルスが感染拡大しました。 中国国家金融・発展実験室のアナリスト、ユー・チュン氏は 「金融業界は大打撃を受けている。 新型コロナウイルス感染拡大はすでに中国で最も活気のある中小企業にダメージを与えた。 長引けば多くの企業が行き詰まり、ローンを返済できなくなる」と指摘しています。 金融業界だけでなく不動産業界も危機を迎えています。 中国の不動産市場はバブル状態でしたが、2019年には景気が減速し始めており、バブル崩壊も近いのではないかと囁かれていました。 そんな時にコロナウイルスの感染拡大で、不動産市場は追い打ちを受けている模様です。 開発業者は販売拠点を閉め、住宅の買い手は新居探しを先送りしているからです。 そればかりではありません。 中国では約12兆元(約188兆円)とも言われる市場規模を有する不動産投資信託 REIT という巨大市場があるのですが、それもコロナウイルスの蔓延によって大きな痛手を受けることが考えられます。 REIT(リート)とは、投資法人が投資家から資金を集めて複数の不動産に投資し、賃貸収入や不動産の売却利益の一部を配当金として投資家に還元するという金融商品のことで、投資法人はREITを通してホテルやオフィスビルを建てて、賃料を得ていました。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって観光客が激減することで、特にホテル系のREITは大ダメージを受けることになります。 となると、REIT市場も崩壊する可能性が高まり、中国経済はさらに混乱状態になることが予想されます。 以上のような様々な危機が到来しているのですが、新型コロナウイルスだけでなく、米中貿易戦争・香港デモという三重苦があるので経済はかなり苦しい状態です。 中国経済は果たして、未曽有の危機に耐えられるのでしょうか。 中国共産党の行方は? ここからは政治の話をします。 新型コロナウイルスの影響で、経済だけでなく中国の体制そのものが揺るがされているようにも見えますが、果たしてどうなるのでしょうか。 中国は歴史的に権力闘争が、非常に激しい国ですから、習近平体制に反旗を翻す勢力が現れてもおかしくはありません。 習近平は腐敗撲滅キャンペーンによって不死身の帝王と言われた江沢民の派閥の大半を摘発することで政界から追い出し、江沢民の院政を退けることに成功しましたが、次は逆に習近平が狙われる可能性があります。 前任の胡錦涛の時代に、それほど注目されていなかった習近平が今のようにこれほど権力を集中させるとは、誰も想像していなかったでしょう。 逆に今それほど注目されていない人物が政変を起こすことで、習近平を今の権力の座から引きずり降ろす可能性も否めません。 例えば、共産党序列第二位の李克強がその座を狙っているのではないかと考えられます。 元々、胡錦涛と同じ中国共産主義青年団出身の李克強は胡錦涛の後を継ぐことを期待されていましたが、院政を敷いていた江沢民の策謀により、習近平が抜擢されることになりました。 江沢民は胡錦涛や李克強を筆頭とする共青団出身メンバーの影響力をそぎ落としたかったが故に、あえて習近平をトップに就かせるように策謀を巡らせたのですが、皮肉にもその習近平の腐敗撲滅キャンペーンによって江沢民は事実上、政界から追い出されました。 この辺りの詳細を話すとなるとすごく長くなるので今回は割愛しますが、元々、超がつくほどのエリートで将来トップに就くことを期待されていた李克強が今後共産党のトップに取って代わる可能性も十分にあると私は考えています。 習近平と李克強は権力闘争しているとかしていないとか様々な憶測がありますが、そもそも習近平と李克強との間では経済政策におけるスタンスにかなりの違いがあるので、少なくとも思想的な対立はあります。 習近平は党が全てを決めるという毛沢東的な考え方で、経済も党主導の一帯一路構想で中国経済圏を大きくしようとしています。 中国は表面上は市場原理を導入していますが、やはり重大なことの最終決定権は共産党の幹部が握っているわけですから、共産主義的な色合いはまだまだ強いです。 共産主義というと語弊が生じるかもしれないので、トップダウンの指示で政治経済を動かす「国家資本主義」と言ったほうが適切かもしれません。 習近平はそれを更に強めようとしている模様です。 一方、李克強は実はそのような考え方ではなく、どちらかというと経済を市場原理に委ねようという一般的な資本主義寄りの考え方を持っています。 李克強は北京大学で経済学を学んだだけでなく、国務院副総理時代から国家経済を担当してきました。 だから経済の知見は人一倍あって、国内に山積する経済的な問題に関して強い関心を持っています。 それらの問題を優先的に解決しないと中国の国力は落ちる一方で、現在の一党支配体制が維持できないと考えているのです。 「国営企業の構造改革と市場化・民営化」という彼の主張からも習近平との考え方の違いの大きさが分かるかと思います。 習近平の一帯一路構想は中国経済圏を更に大きくしようという構想ではありますが、中国国内の貧富の差などの経済的な問題を根本的に解決できそうにありません。 もし一帯一路政策が成功したとしても中国の国営企業や実質共産党がコントロールする民間企業が大きくなるだけだからです。 一方、広がる貧富の差などの国内の問題を「国営企業の構造改革と市場化・民営化」などで、まずは解決しようというのが李克強の考え方です。 こういった考え方の対立があるからと言って、両者が権力闘争している証拠もないので断言はできませんが、「あわよくば自分がトップに・・・」と考えていても不思議ではありません。 そう考えている人は他にもいっぱいいるはずです。 習近平によって実質的に政界から追い出された江沢民財閥も復権を目指している模様ですから、今回の新型コロナウイルスの蔓延をチャンスだと捉えているかもしれません。 で取り上げましたが、香港デモも本質的には習近平と江沢民財閥の代理戦争の様相を呈しているので、新型コロナウイルスの蔓延を契機に、江沢民財閥が何か動くかもしれません。 歴史的に疫病は国家を滅ぼしたり、体制を転覆するほどの影響力があるわけですが、今回はどうなるのでしょうか。 少なくとも経済的には大ダメージを受けることは必至で、習近平体制も揺らいでいることは確かです。 一部の住民らは警察車両に木材を投げつけるなどして抗議したり、ネットでは新型コロナウイルスの感染拡大を食い止められなかった中国共産党への不満の声が拡散されています。 一党独裁の弊害がここにきて表面化しているのではないでしょうか。 なんにせよ、中国が転換期を迎えているように見えるのは、私だけではないと思います。 事態がどう転ぶにせよ、日本にも多分に影響があるので、他人事ではありません。 中国の動向に今後も注視していきましょう。 これは当然の事です。 中国共産党が国家安全保障法を上げました一方でアメリカのトランプ大統領が国家安全保障法は中国を1国1制度を上げましたのがルール違反で中国共産党らに厳しい制裁措置を受ける事になりました。 中国共産党はスポーツイベント中止は全世界に損害賠償を受ける事になり代償を払う事になります。 このままでは中国は習近平が倒れ今年秋に胡春華政権に変わり中国共産党は厳しい審判を受け中国共産党らに死刑判決を執行されます。 中国共産党政権の大罪は過去の中国共産党時代の戦争プレイバックに過ぎず重い制裁措置を執行されます。 中国共産党の未来は成り立たないと警告致しました。 これからは日本化が強まり来年の東京五輪開催で日本が金メダリストが続出するでしょう。 中国共産党は反省し責任を問い謝罪すべきです。

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これから中国で地獄が始まる

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国際ニュースの補助線 2020. COM) 新型コロナウイルスは世界で300万人以上を感染させ、 20万人以上の命を奪った極めて恐ろしい感染症である。 その恐ろしさはただ単に感染力が強いとか、致死率が高いというだけではない。 発症してから感染力を持つ SARSなどと異なり、新型コロナウイルスは発症前であっても人を感染させ、また無症状の感染者からも感染する。 そのため、感染者を発見するのが著しく困難であり、誰を感染させたかもわからない。 理論的には世界中にいる人が、どんなに健康そうに見えても感染者である可能性があり、また、自分自身も全く自覚症状を持たないまま感染し、他人を感染させている可能性がある。 さらに新型のコロナウイルスであるため、治療薬も治療法も確立しておらず、ワクチンもない。 つまり、この感染症との戦いの唯一の武器は人と接触しない、ということである。 そのため、感染拡大が続く各国では都市封鎖のような強烈な措置から、日本における外出自粛要請などのソフトな措置に至るまで、様々な形で人との接触を減らす手段を取り、それが各国の経済活動に大きなストレスとなっている。 中国の 1-3月期の GDPは -6. 8%、アメリカの第一四半期は -4. 8%など各国とも軒並み経済成長率が下降しており、おそらく第二四半期にはさらなる落ち込みとなることは確実である。 アメリカでは 8週間で失業保険申請者数が 3600万を超え、大恐慌以上の経済的混乱も予想されている。 新型コロナウイルスとの戦いで唯一の武器は人との接触を避けることとはいえ、この状態を永遠に続けるわけにはいかない。 実際、各国で経済再開を求める動きは激しくなってきている。 アメリカのいくつかの州では武装した集団が組織する反ロックダウンデモが起きており、また、イタリアやスペイン、フランスでも長期のロックダウンに耐えられず、新規感染者がやや減り始めたところで経済を徐々に再開している。 こうした圧力の中で、各国とも徐々に経済活動を再開し、これまで通りとは行かないまでも、正常な経済・社会生活を取り戻すことになるだろう。 ここで大きなジレンマが起こる。 人々が経済活動を再開し、人との接触機会が増えれば感染拡大の可能性はより高まる。 もちろん、人々は進んで感染したいとは思わないだろうから、マスクの着用や「 3密」と言われる密閉・密集・密接な環境を避けるであろうが、それでも無症状の感染者からも感染するため、何らかの不注意や不用意な接触によって再度感染爆発が起きる可能性もある。 こうしたことを前提に、ポストコロナの世界で何が起こるかを考える上での補助線を引いてみよう。 グローバル化がもたらした感染拡大 中国で発生した感染症が急速に世界に広まったのは、人やモノやカネが国境を越えて移動し、拡大していったからである。 こうしたグローバル化は世界経済を一つに結びつけ、TPPをはじめとした様々な自由貿易協定が結ばれ、より効率的に生産が出来る場所に生産拠点が移り、より多くの商品が売れるところに消費市場が広がっていった。 しかし、そのグローバル化が新型コロナウイルスを拡散し、さらに世界が同時に感染拡大を経験したことで、それに対して必要なマスクや医療用ガウン、使い捨て手袋などの医療防護具、そして人工呼吸器やECMOとよばれる人工心肺などの装置の需要が急速に伸びた。 こうした医療防護具の生産の中心は中国であり、人工呼吸器などは欧州での生産が盛んであった。 そのため、日本やアメリカはこれらの防護具や機器の備えが足りず、一体化した世界市場において「マスク争奪戦」や「人工呼吸器争奪戦」が起きる結果となった。 鎖国化する国々 他方で、グローバル化した世界から自国を守ろうとする動きが激しくなっている。 全ての国家にとって、感染拡大を抑え込むことが最優先課題となる中、感染者が外部から流入することはもっとも望まないことの一つである。 ゆえに各国は国境を閉ざし、外国に住む人々を国に帰還させ、鎖国とも言える対応を取らざるを得なくなっている。 社会にとって人との接触機会を減らすことが感染拡大を防ぐ唯一の武器であるのと同様に、国際社会においては国家間の接触を減らすことが感染拡大を防ぐ武器なのである。 今や国境管理と検疫は、空母やミサイルと同様、安全保障上の問題になったといっても過言ではない。 これは仮に感染が収まり、経済活動が再開したとしても継続されるものである。 いや、むしろ感染が一国内で収まったとなればなおさら外国から感染者が入ってくることに対して警戒しなければならない。 日本においても、当初中国からの感染者が起点となって広がった第一波がある程度収まった3月半ばに欧州からの帰国者が感染しており、それが第二波を生み出したことが明らかにされている。 特に途上国において今後感染が拡大していくとなると、医療資源の乏しい国では感染が長期間にわたって続く可能性がある。 例えば中東が発生源となったMERSは2012年に感染が確認され、それが2015年に世界的に拡大し、最後の感染者が確認され、終息したのは2019年である。 MERSも飛沫感染や接触感染によって広がったが、その感染力は新型コロナウイルスほど強くなく、発症した後に感染力を持つため、封じ込めることが可能であった。 しかし、新型コロナウイルスは潜伏期間や無症状の感染者からも感染するため、封じ込めることが難しく、世界のどこかで感染が続く限り、「鎖国」を続けなければならない。 なぜなら、感染が終息していない国だけでなく、その国から第三国を経由して感染者が入国してくる可能性があるからである。 ゆえに「鎖国状態」は長く続くことになるだろう。 これが特に明らかなのが、EUの域内での移動の自由を保障していたシェンゲン協定の無効化であろう。 シェンゲン協定はEUの域内市場での統合を進める上で重要な役割を果たし、欧州が一体化する象徴でもあった。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるべく、各国はシェンゲン協定の緊急事態条項に基づき、国境を越えた人の自由移動を停止した。 これはシェンゲン協定の規定に基づいた行動であるため、経済再開に伴って徐々に緊急事態を解除し、感染が収まりつつあるルクセンブルクとドイツの国境など、限定的ながら解除に向かう状況にはある。 また同様に、共に感染が収まりつつあるオーストラリアとニュージーランドの間でもタスマニアン・バブルと呼ばれる二国間限定の往来を認めるようになっている。 このように慎重に慎重を重ねながら人の自由移動が再開するであろうが、当面「鎖国状態」が必要とされる限り、全面的な渡航禁止の解除することも出来ない状況が続くであろう。 二元化する人の移動 世界が「鎖国状態」を続けるとなると、人の動きは停滞する。 すでに現状では人の移動が止まり、航空会社をはじめ、これまで世界中で人が移動することを前提にしてきた運輸、交通、観光といった産業は極めて大きな打撃を受けることになるだろう。 そして、この人の移動の停滞はこれまでのグローバル化のかたちを大きく変えることになるだろう。 一つには、これまでMICEやビジネス目的の移動が止まったとしても、それらのビジネスは引き続きグローバルであり続ける。 新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、望むと望まざるとにかかわらず、テレワークを導入せざるを得なくなり、これまでの働き方が変わってきている。 これまでは時間と費用をかけて通勤し、出張することでビジネスを行ってきた人たちは、既に職場がコンピュータのスクリーンの中で完結するようになっており、テレワークで職場の会議をすることと、外国に出張に行って商談をすることに大きな差がなくなっていく(当然時差の問題は残るが)。 そうなると、世界が「鎖国状態」を続けても、こうしたホワイトカラーのビジネスは引き続きグローバルであり続ける。 しかし、他方で人の移動がグローバル化に大きな障害となることもある。 それが労働集約的な職場で働く人たちが集まらなくなる、ということである。 多くの先進国で、農業の収穫期に大量の労働力を必要とするため、季節労働者を外国から雇い入れてきた。 また、工場なども繁忙期に外国人労働者を活用することで人件費を抑制しながら事業を行ってきた。 さらに、三次産業であってもビルの清掃や家事労働など、移民労働者に依存する経済が定着してきた。 しかしながら、「鎖国状態」が続くことになれば、農家では収穫することが出来ず、工場は人手不足となり、先進国の生産性を支えてきた家事労働者が消えてしまうことになる。 既にフランスでは移民労働者が農場からいなくなったことで困難に陥り、ロックダウンによって仕事を失った人たちを農業労働者としてかき集めたり、イギリスはすでにBrexitによってEU域内(特に旧東欧地域)からの労働者が帰国しており、新型コロナウイルスでさらに多くの移民労働者がいなくなったことで、ルーマニアにチャーター機を飛ばして労働者を集めるといったことを行っている。 日本でも技能実習生の形で農家を手伝っていた外国人労働者がいなくなり、農作業が困難になっている。 戦略的産業の内製化 新型コロナウイルスのグローバルな感染拡大によって、国境における入国管理(感染管理)が強化されるが、それと同時に各国の自律性の強化も進んでいく。 それは今回の新型コロナウイルスの感染によって明らかになった、人の命を守るための製品は戦略的製品であり、それらは国内で生産されなければならない、つまり中国に依存するわけにはいかない、というものである。 既に述べたように、世界が一つの市場になったことで「マスク争奪戦」が起きたわけだが、それは感染症対策に不可欠な医療防護具の生産を、もっとも効率の良い中国での生産に依存してきたからである。 これまでは「戦略的産業」といえば軍事部門に直結する製造業、ハイテク産業であり、また5Gの問題に見られるITや人工知能(AI)などのエマージング・テクノロジーであった。 しかし、今回明らかになったのは、マスクなどの医療防護具に加え、新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの生産を可能にする製薬会社なども「戦略的産業」に含まれる、ということである。 人の命がかかる感染症は安全保障に準ずる、国家の存亡に関わる問題であり、兵器やエマージング・テクノロジーと同様に、マスク生産工場も国内で維持しなければならない、という「戦略的産業の内製化」という課題が浮き上がった。 しかし、新型コロナウイルスのような致死性が高く、感染力の強い感染症はそう頻繁に起こるわけではない。 通常の状態であれば、マスクのような低付加価値製品は、アメリカや欧州で生産するにはコストが高すぎ、産業競争力を持たない。 そのため、「戦略的産業」として位置づけ、内製化を進めたとしても、その産業を平時に維持することは極めて困難である。 これが防衛産業やIT産業であれば、国家がてこ入れをして産業を支えることが出来るが、マスクの生産を継続的に維持することは極めて難しい。 その意味では、世界がBrexitして人の移動は管理しても、ウイルスを運ぶことのないモノやカネの移動は自由な移動が継続される以上、比較優位の原則が働き、先進国におけるマスク産業は衰退し、結局中国に依存するという構造は残る。 つまり、人のグローバル化は一定程度の期間、歯止めがかかるだろうが、モノやカネのグローバル化が止まるわけではない。 そんな中で、各国に課された課題はポストコロナの世界で、「鎖国状態」を続けながら航空業界や観光業界などの産業再編を受け止め、モノやカネのグローバル化が続く中で競争力を維持しつつ、「戦略的産業を内製化」出来るか、ということになるだろう。

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広嗣まさし(作家) 中国の過ちは「アメリカをやつけてやろう」と焦ったところにある。 コロナウィルスに足元をすくわれても、なお世界における自国の存在を誇示しようとし、大失敗。 今ではアメリカの人種差別を叩くのが、せいぜいのところだ。 これで汚名挽回できるなどとは、まさか共産党でも思うまい。 墓穴を掘るとは、このこと。 アメリカの欠点は世界中に露呈している。 「とんでもない国だ」とは、誰しもが思う。 ところが中国となると、その欠点が何なのか、内情を知らないかぎり見えづらい。 そこで、「その見えづらさこそが欠点だ」ということになる。 自国の欠点をできるだけ隠そうとしてきた共産党政府。 彼らが真実を隠したい相手は諸外国ではなく、自国の民だ。 民主主義は混乱を招き、人を迷わせる。 その意味で「不都合」なシステムである。 しかし、混乱をひた隠しにし、「私たちの国はすべてうまく行っています」と嘘をつく必要がない分、気楽である。 一方、中国のような国は、「混乱があってはいけない」という前提に立っているため、政府は国民に絶えず嘘をつかなくてはならないのだ。 中国のテレビニュースは「嘘だらけ」、とはよく耳にするところである。 「良いこと」ばかり報道するニュースなんて、ニュースではない。 混乱の抑圧は生命の原理に反する。 生命は混沌から秩序へ、秩序から混沌への循環である。 となると、混沌を認めない体制は長く生きられない。 やがて大混乱がやってくる。 では、中国、もうダメなのか? 外野席から勝手をいうならば、「日本を真似ろ」である。 中国は「日本化」を進めるべきなのだ。 そんなバカな、と意外に思う人もあろうが、中国の近代化は日本抜きに考えられない。 「共産党」の一語をとっても、西洋から入った概念の日本語訳をそのまま拝借しているではないか。 いくら日本で漢字が使われているからといって、西洋概念を移入するのに日本で造成された熟語で済ませるとは、省エネにすぎる。 西洋のことを学びたければ、西洋から直接学ぶのが当然なのに、明治以降日本にきた中国人留学生は、主に「西洋」を学んだのである。 というわけで、「日本化」は中国近代化の正道なのだが、そのことを認めたがらない人が多い。 おまけに、中国は日本とちがって社会主義を採用したではないか、というのである。 しかし、どうだろう。 たとえば中国には、台湾のようになる道もあったのである。 台湾は国土は小さいが、中国にとって、「なれたかもしれない」もう1人の自分なのである。 そのような台湾であればこそ、放ってはおけない。 こんなことをいうと、「お前は時代錯誤のナショナリストだ」とお叱りを受けそうだが、私に言わせれば、中国人が思っている以上に、否、日本人が思っている以上に、中国は土台から日本志向である。 中国人の多くが日本旅行を楽しみにしているという事実の裏には、中国政府の意向が反映されていることに、なぜ皆気づかないのだろう。 中国は国を挙げて「日本化」したいのに。 彼らの思う「日本」もまた、幻想にはちがいない。 自分たちが失った中国がそこにある、という幻想だ。 現在の中国は帝国主義の道を歩んでいるように見えるが、そこにも「日本化」が覗かれる。 二度にわたるペリー来航による鎖国の終焉、その後の不平等条約。 そうした一連の屈辱が太平洋戦争につながったとするならば、アヘン戦争の屈辱がいまの中国をして、力づくでも香港を奪還しようという気持ちにさせている、と見てもよいではないか。 長大な文明を誇る中国が、過去の恥辱をぬぐい去るには、どうしても欧米にひと泡吹かせねばなるまい。 その気持ちはとてもよくわかるのだが、方法を間違えれば「元も子も」なくなる。 近代日本史とは、まさに方法を間違えた反欧米イデオロギーの歴史だ。 私にすれば、中国は戦後日本の歩んだ道を学んでほしい。 すでに「日本化」の道を歩んできたのだから、同じ「日本化」でも戦後日本の、なんとも不鮮明な「脱イデオロギー化」を見ならってほしいのである。 過去のイデオロギーにとらわれず、実利に徹する。 これを実現できれば、本当の意味で中国は生まれ変わる。 そのような方向を択ることは、中国にとって決して新しいことではない。 すでに鄧小平が、それを実現したではないか。 国を悪い方にしか導かない権力争いをほどほどにして、もっと実務に徹し、なにが国にとって、国民にとって有利なのか、それを最優先してほしいのだ。 過去のイデオロギーといえば、「中華思想」もその1つである。 「中華思想」は日本における「神国思想」と同じで、国民を奮い立たせるようでいて、実体がない。 そんなものにすがるよりは、毎日の生活を安定させるべく、こつこつといい仕事をする心構えを育てたいのである。 「日本化」を目指すなら、もっとも有利な「日本化」を徹底させるべきだ。

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