アデノ ウイルス 予防。 アデノウイルスとは?

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アデノ ウイルス 予防

下痢や腹痛、嘔吐などをもたらすウイルス性の「感染性胃腸炎」。 その原因としてよく知られているのが、ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルスの3大ウイルスです。 なかでもアデノウイルスは、季節に関係なく発症する子どもにとって身近なウイルス。 今回は、北浜こどもクリニックの北浜直先生に「アデノウイルス胃腸炎」について伺いました。 感染性胃腸炎の原因3大ウイルス「ノロ・ロタ・アデノ」 感染性胃腸炎の原因としては、アデノウイルスのほかにも、ノロウイルス、ロタウイルスなどがよく知られていますね。 それぞれどんな違いがあるのでしょうか? 「 季節性があるノロウイルス、ロタウイルスと比べて、アデノウイルス胃腸炎は年間を通して発症するのが特徴です。 」 アデノウイルス 年間を通して発症。 発熱や嘔吐は軽めで、下痢が1〜2週間続く。 喉の痛みや目の充血などを伴うことがある。 ノロウイルス 秋〜冬にかけて流行。 症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。 症状が続く期間は2〜3日程度。 ロタウイルス 冬〜春にかけて流行。 症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱など。 便の色が白っぽくなることがある。 症状が続く期間は5〜6日程度。 「いずれも主な感染経路は飛沫感染と接触感染。 とくにアデノウイルスは感染力が強いので注意が必要です。 感染を防ぐためにできるのは、うがいと手洗いを習慣づけること。 そしてマスクの着用も有効です。 」 型によって様々な症状を引き起こす「アデノウイルス」 一言で「アデノウイルス」と言っても、さまざまな種類があるため、そのすべてが胃腸炎を引き起こすわけではないそうです。 アデノウイルスには50種類以上の型があり、それぞれ症状が異なるのが特徴です。 型の種類が多いため、 免疫がつきにくく何度でも感染します。 」 このように、アデノウイルスに感染した際の症状はウイルスの型によってさまざま。 例えば、夏場にプールで感染することが多い「プール熱(咽頭結膜熱)」も、アデノウイルス(主に3型)によるものです。 「アデノウイルス胃腸炎を引き起こすのは、40型・41型ウイルスで『 腸管アデノウイルス』と呼ばれています。 3歳以下の乳幼児に発症することが多く、微熱や喉の痛みのほか、1週間〜2週間の長期にわたって水っぽい下痢が続くことがあります。 」 通常は軽く済むことが多いアデノウイルスによる下痢症状ですが、新生児、乳児の場合は重症化することもあるそうです。 そこで、アデノウイルス胃腸炎のホームケアのポイントを伺いました。 自宅で安静に こまめな水分補給で脱水症状に注意を! 「 アデノウイルス胃腸炎には有効なワクチンはありません。 吐き気止め、下痢止めなどで対症療法をし、自然治癒を待つことになります。 自宅で安静に過ごし、症状が落ち着くまでは水分以外の食事を控えましょう。 胃腸をしっかり休めることで、回復が早まります。 回復してきたら、最初はおかゆなど、胃腸に負担をかけないものから少しずつ始めていくのが望ましいでしょう。 」 小さな子どもは、とくに下痢や嘔吐による脱水症状を引き起こしやすいので注意が必要なのだそう。 「 脱水症状を避けるために、経口補水液でこまめな水分補給をしてください。 一度にたくさん飲ませると吐き出してしまうこともあるので、何回にもわけて少量ずつ飲ませてあげるといいですよ。 」 北浜先生によると、吐物などの処理には塩塩素系漂白剤を使うといいのですが、そこにこだわって処理が遅れるよりも、とにかく素早く洗うことが大切とのこと。 また、おむつをしている場合はこまめに取り替え、ビニール袋に入れてしっかり口を閉じて処理するといいそうです。 下痢が長引くアデノウイルス胃腸炎。 気になる症状があれば、自己判断せず必ず医療機関を受診しましょう。

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[アデノウイルス感染症] 病気と予防

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アデノウイルスは夏にはやる子どもの感染症 アデノウイルスはインフルエンザウイルスの次に人体から検出される頻度が高いとされている身近なウイルスで、さまざまな病気の原因となるウイルスですが、特に子どもの間では夏場に大流行するプール熱や夏風邪の原因となるため、しっかり症状と対策を知っておきましょう。 今回は夏に気をつけたいアデノウイルスとは何か、アデノウイルスが原因となる病気の症状・感染経路・治療法を解説します。 目次 アデノウイルスとは アデノウイルスは風邪などの症状を引き起こす身近なウイルスの一種です。 アデノウイルスには複数の型があり、現在51種類の型が確認されていて、症状や発症する病気によってA~Fの6群に分類されています。 それぞれの型は異なる性質を持っているため、ウイルスの種類によって軽症から重症まで、引き起こす症状も病気も異なります。 また、種類がたくさんあるため感染しても体内に免疫がつきにくく、何度も感染することが特徴です。 アデノウイルスは、ウイルスの種類により流行する季節が異なりますが、感染自体は季節を問わず1年中見られます。 特に、冬の風邪と夏風邪の原因として、幼児から小学生の子どもに圧倒的に多く発症します。 大人への感染もよく見られますが、子どもの場合は集団感染によって流行することが多くなります。 夏のアデノウイルス 夏場に流行するのはアデノウイルス3型が原因となる「プール熱(咽頭結膜熱)」です。 近年では3型以外の型でもプール熱を発症することが確認されています。 アデノウイルス8型は、「はやり目(流行性角結膜炎)」の原因となります。 アデノウイルスの型によって喉や目など症状がでる部位も異なることが特徴です。 その他、アデノウイルスは夏風邪の原因にもなるため、夏に気をつけたいウイルスといえます。 アデノウイルスの3大症状 アデノウイルスは感染するとさまざまな症状を引き起こしますが、大きな特徴は三つです。 時には1週間程度続くなどなかなか下がらない高熱が特徴です。 症状がどれか一つだけでる場合もあれば、三つの症状が重なる場合もあります。 また、先に熱が出てからのどの痛みがくるなど、症状の程度や出方には個人差があります。 三大症状以外にも、以下のような一般的な風邪の症状や全身症状も多く現れます。 呼吸器症状・眼症状・消化器症状まで、全身に多種多様の症状を引き起こします。 ・鼻水・鼻づまり ・咳 ・全身倦怠感 ・関節痛 ・食欲不振 ・腹痛、下痢、嘔吐 ・脱水症状 重症化のサインを見逃さないで! アデノウイルスは重症化してしまうと、肺炎や脳症などの重い合併症が起こる危険性があります。 また、小さい子どもは他の病気でも同様の症状を起こしやすく、対処の遅れが重症化へつながることもあります。 体調不良が続いたときに以下の症状が見られたら早急に病院を受診しましょう。 急な発熱、食欲不振、倦怠感などの風邪症状のほか、咽頭炎と結膜炎が併発します。 プールで感染することも多いため、プール熱と呼ばれることもあります。 流行性角結膜炎 アデノウイルスが原因となる結膜炎で、はやり目とも呼ばれます。 ほかのウイルス性の結膜炎よりも症状は強く、目があけられないほどの目やに、充血、痛みなどもあります。 通常は1週間ぐらいで症状が改善していきますが、症状が悪化した場合には完治に数ヶ月かかることもあります。 流行性角結膜炎についてくわしくは関連記事をごらんください。 関連記事 大人がかかりやすい症状 プールで感染が広がる咽頭結膜熱は子供に多く見られる病気ですが、大人がアデノウイルスに感染した場合にかかりやすい病気もあります。 下記のような病気もアデノウイルスが原因となる可能性があることを覚えておきましょう。 アデノウイルスは感染力が強く、ドアノブなどに付着しても10日以上も感染力を持つほど非常に強いウイルスです。 集団行動が多い幼稚園や小学校では感染が広がる速度も速くなります。 アデノウイルスの潜伏期間 アデノウイルスは比較的潜伏期間が長く、感染してから5日~7日の潜伏期間があります。 潜伏期間ではウイルスに感染していても症状があらわれないため、感染に気づいていないことが多く、症状がないため無自覚なまま、他人への感染源となっている可能性もあります。 アデノウイルスが感染力をもっているのは、潜伏期間〜回復期まで長期にわたることも、感染が拡大しやすい要因のひとつといえます。 アデノウイルスの出席停止期間 アデノウイルスが原因となる病気の中では、学校保健安全法により学校感染症に指定され出席停止期間が定められているものがあります。 咽頭結膜熱(プール熱)は学校感染症の第二種に定められていて、主要な症状が消えたあと二日間は出席停止になります。 流行性角結膜炎では、眼の症状が軽減してからも感染力がある場合があるので、医師により他人への伝染のおそれがないと認められるまで出席停止になります。 なお、学校保健安全法は、幼稚園から小・中・高校、大学までが適応になります。 病名 種類 出席停止期間 咽頭結膜熱(プール熱) 第二種感染症 症状が消えたあと二日間は出席停止 流行性角結膜炎 第三種感染症 医師の診断により感染の可能性がなくなるまで 感染時の出勤について 大人がアデノウイルスに感染した場合は、出勤などを控える法律はありません。 体調と相談しながら出勤して問題ありません。 ただし、アデノウイルスはとても感染力の強いウイルスなので、他人への感染を広げないためにも必ずマスクを着用し手洗いを徹底するなど配慮しましょう。 症状が重い場合は医療期間を受診して適切な治療を受けてください。 アデノウイルスの治療法は対症療法 アデノウイルスは、鼻やのどを綿棒でこすって採取した体液を用いて検査を行います。 15〜20分ほどで判定できる迅速検査なので、その場でアデノウイルスかどうかの判断が可能です。 アデノウイルスに有効な抗ウイルス薬はいまだ開発されていません。 アデノウイルスが検出された場合、基本的には症状に合せた以下のような対症療法が行われます。 4〜7日ほど続く。 3〜7日ほど続く。 7〜10日ほど続く。 これらの対症療法と合わせて自宅で安静にしながら栄養と休養をとり、自然治癒を待ちます。 高熱・咽頭炎・結膜炎も比較的症状が続くケースが多く見られます。 すべての症状が完治するまでは発症から約1〜2週間ほどかかるため、他人への感染を広げないためにも無理をせず自宅で安静にしながら回復を待ちましょう。 自宅でのケアの注意点 自宅でのケアでは、安静にして体を休ませ、栄養をしっかりとって免疫力を高めて自然治癒を早めることを心がけます。 また、アデノウイルスの治療期間は1〜2週間と継続するため、治療の最中に兄弟や保護者へと家族間での感染を広げない対策も必要です。 2週間~4週間程度に渡りウイルスが排出されていることもあります。 特に糞便などからもウイルスが排泄されるため、症状が治まった後も以下のポイントに注意しましょう。 子どもの間では頻繁に感染し流行を起こすウイルスの代表格なので、症状の特徴をしっかり覚えておくとよいですね。 感染力が強いウイルスのため、日頃から、うがい・手洗い・マスクの着用など、予防対策をしっかり行いましょう。

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アデノウイルス感染症について 横浜市

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流行は? アデノウイルス Adenovirus : AdV には、1型から51型まで51の血清型があり、血清型により気道炎や胃腸炎、結膜炎、膀胱炎、発疹などを起こすことがあります。 また、アデノウイルスは、等とともに、「かぜ症候群」を起こす主要病原ウイルスの一つと考えられています。 アデノウイルスの1型、2型、3型、4型、5型、7型などによる気道炎は、温帯地方では秋から初春にかけての寒い季節に発生が多いです。 熱帯地方では雨期で比較的涼しい時期に発生が多いです。 こどもの患者発生が多いですが、アメリカ合衆国では新兵たちの間で主に4型、7型によるARD( acute respiratory disease : 急性呼吸器疾患)の流行が冬季を中心に見られることがありました。 アメリカ合衆国の新兵を調査対象とした研究 参考文献1 では、4型に対して66. 0%、7型に対して72. 6%の新兵が発病を防ぐのに充分な免疫を持っていませんでした。 咽頭結膜熱は、プール熱の呼称もあり、アデノウイルスの3型を中心に、4型、7型、14型などでも起こり、夏に発生が多いです。 また、8型、19型、37型などが起こす流行性角結膜炎 EKC : epidemic keratoconjunctivitis も、夏に発生が多いです。 この両者は、まとめてアデノウイルス結膜炎と呼ばれることがあります。 咽頭結膜熱も流行性角結膜炎も感染症法下での定点把握疾患ですが、咽頭結膜熱は小児科定点把握疾患()、流行性角結膜炎は眼科定点把握疾患です )。 胃腸炎を起こす40、41型は、腸管アデノウイルス enteric adenovirus : EAdV とも言われます。 年中発生が見られ季節による変動は少ないですが、涼しく乾燥した時期にやや発生が多いです。 どんな病気? アデノウイルスの1型、2型、3型、4型、5型、7型などによる気道炎は、人によって症状に差が見られます。 鼻炎、咽頭炎、扁桃炎などを起こし、発熱、咳や結膜炎が見られる場合もあります。 3歳未満のこどもの溶血性レンサ球菌によらない浸出性咽頭炎については、アデノウイルスが主要な病原体です。 喉頭炎やクループ、気管支炎、肺炎などを起こす場合もあります。 ARD(急性呼吸器疾患)では、気道炎、発熱、疲労感、筋肉痛が見られます。 咽頭炎と結膜炎とが見られる咽頭結膜熱については、当・横浜市衛生研究所ウェブページをご覧ください。 また、が重症の呼吸器感染症を起こすことがあることが、アメリカ合衆国で報告されています 参考文献3。 このについては、後述します。 アデノウイルスによる気道炎の潜伏期は1日-10日。 発病の直前から、他の人への感染の可能性があります。 患者の咳による飛沫、鼻汁、眼からの分泌物や便などに含まれて出てきたウイルスが口や眼などから入って、あるいは、ウイルスを含む飛沫が鼻から吸い込まれて感染します。 ハンカチ、タオル、食器、おもちゃや手などが、患者の飛沫、分泌物や便などに接触して汚染されウイルスを口や眼まで運ぶ可能性があります。 8型、19型、37型などによる流行性角結膜炎については、急性濾胞性結膜炎、角膜上皮下混濁、耳前リンパ節腫脹が見られます。 40、41型による胃腸炎については、下痢、嘔吐、嘔気、気分不快、微熱、腹痛などが見られます 参考文献2。 と似た症状です。 こどもたちに多く見られ、乳幼児で重症となることがありますが、感染しても無症状の者もいます。 潜伏期は3日-10日。 患者あるいは症状のない感染者の便の中に出てきたウイルスが口から入り感染しますが、気道炎と同様に患者・感染者の気道からの飛沫などにより感染することもありえます。 11、21型が血尿・排尿障害・尿意頻発が見られる膀胱炎を起こすことがあります。 尿中のウイルスが主な感染源となります。 また、腎臓に無症状のまま感染を持続し数ヶ月から数年の間、尿中にウイルスが排出されることがあります。 19、37型が性行為により感染し、尿道炎や子宮頸部炎を起こすことがあります。 アデノウイルスに対する特効薬はありません。 治療は、症状に応じた対症療法が中心となります。 嘔吐、下痢がひどいときには点滴注射による輸液療法が行われることがあります。 検査としてアデノウイルス抗原を検出する迅速診断キットが使われることがあります。 現在使われている迅速診断キットでは血清型別の判定はできません。 アデノウイルスの同じ血清型であっても、患者によって咽頭炎が主であったり、結膜炎が主であったり、下気道炎が主であったりすることがあります。 ウイルスの体内への侵入部位と症状の出現とが関連していると考えられています。 例えば、7型については、細かい飛沫を深く吸い込んだような場合には、重症の下気道炎・肺炎となる可能性も考えられます。 また、手などに付着して鼻や口に入った場合には、軽いかぜ症状やのどの炎症を起こしたり、塩素消毒が不充分なプール水中で眼に感染すれば結膜炎となる可能性があります。 病原体は? アデノウイルスが病原体です。 アデノウイルス Adenovirus は、1953年に切除したアデノイド( adenoid:咽頭部の肥大した扁桃腺)から分離されたことから名付けられました。 Adenoはドングリを意味するギリシア語に由来し「腺」を意味します。 感染症でぐりぐりと腫れたリンパ腺を触ったギリシア人は「まるでドングリだ!」と感じたのかもしれません。 アデノウイルスには51の血清型がありますが、それらはAからFまでの亜属 subgenus に分類されます。 下記の表の通りです。 病気を起こすのは、51の血清型の内の約半数です。 表1. ヒトアデノウイルス( Human adenovirus : HAdv の分類 亜属 血清型 A 12, 18, 31 B1 3, 7, 16, 21, 50 B2 11, 14, 34, 35 C 1, 2, 5, 6 D 8-10, 13, 15, 17, 19, 20, 22-30, 32, 33, 36-39, 42-49, 51 E 4 F 40, 41 アデノウイルスは体外でも長期に生残することがあります。 3型は紙の上で10日間生残することがあり、2型は室温でモノの表面で3-8週間生残することがあるとのデータがあります。 1, 2, 5型は、扁桃やアデノイドや腸などに無症状のまま感染を持続し何ヶ月も何年もウイルスの排出を続けるようなことがあります。 ウイルスの便中への排出は、最初は持続的ですがやがて間欠的になります。 免疫不全の患者では、7型などが、肝炎、腸炎、脳炎、肺炎など多彩な感染症を引き起こすことがあります。 免疫不全の患者の感染症の研究の中から、新たな血清型のアデノウイルスがいくつか発見されました。 免疫不全の患者の尿中や便中にアデノウイルスが排出されていることがあります。 予防のためには・・・ ハンカチ、タオルなどの貸し借りは止めて、自分専用のものか使い捨てのものを使いましょう。 帰宅時、トイレの後、食事の前、自分の眼・鼻・口に触れる前と後などには、手をよく洗いましょう。 アデノウイルス感染症である咽頭結膜熱と流行性角結膜炎は、ともに学校保健安全法で学校感染症とされています。 咽頭結膜熱と流行性角結膜炎の学校での出席停止の期間の基準などについては、当・横浜市衛生研究所ウェブページを参考にしてください。 アメリカ合衆国では新兵たちにおける4、7型によるARD(急性呼吸器疾患)の流行を防ぐために、両型のワクチンを新兵たちに投与しています。 このについては、後述します。 また、このワクチンについては、当・横浜市衛生研究所ウェブページでも触れていますので、ご覧ください。 アデノウイルス14型 Adenovirus serotype 14 : Ad14 は、アデノウイルス Adenovirus : AdV の51の血清型の一つです。 このアデノウイルス14型による重症の肺炎や死亡が最近、アメリカ合衆国で報告されました 参考文献3。 報告された患者は、2006-2007年にアメリカ合衆国国内の4カ所で発生しました。 2006年5月に、ニューヨーク市で、生後12日の新生児 女児 がアデノウイルス14型による呼吸器感染症で死亡しました。 2007年2-6月には、オレゴン州 31人 、ワシントン州 3人 、テキサス州 106人 で、総計140人のアデノウイルス14型による呼吸器感染症の発生が確認されました。 ニューヨーク市、オレゴン州、ワシントン州、テキサス州の計4カ所の患者から分離されたウイルスは、遺伝子的に同一のものでしたが、4カ所を結びつける共通の感染源は見つかっていません。 アデノウイルス14型が初めて認められたのは、1955年にオランダで新兵においてでした。 英国では、1955年夏、5月から7月にかけて、英国の南イングランドの西サセックス、Lancingの寄宿制の男子校 1971年から男女共学。 生徒は13-18歳。 であったLancing Collegeでの集団発生がアデノウイルス14型によって起こりました 参考文献5。 408人中116人と28. 患者では、咽頭痛、頭痛、発熱、結膜炎、頸部リンパ節腫脹、咽頭炎などが認められました。 水泳プールでの感染の広がりが考えられましたが、水泳プールは5月28日に閉鎖されて、それ以降の感染経路は明らかでありません。 アデノウイルス14型は、呼吸器系の感染症を起こしますが、近年までアメリカ合衆国国内で分離同定されることは、まれでした。 日本国内でも分離同定は少なく、「病原微生物検出情報 国立感染症研究所 」では、2007年までの27年間でアデノウイルス14型の分離同定は2株とのことです 参考文献4。 最近アメリカ合衆国で報告された重症の肺炎や死亡を起こす病原性の強いアデノウイルス14型については、1950年台に報告されたアデノウイルス14型の標準株とは遺伝子的に違う株であり、アデノウイルス14型の新しい強毒変異株と考えられます。 新しい強毒変異株が初めてアメリカ合衆国国内で認められたのは2005年のことでした。 アメリカ合衆国の新兵訓練の基地ではアデノウイルスによる呼吸器感染症の集団発生が認められることがあり、2007年にはテキサス州のSan AntonioのLackland空軍基地の新兵の間でアデノウイルス14型の新しい強毒変異株による集団発生がありました。 この集団発生の中では、重症で入院となる患者が一部発生する一方で、発熱を伴うカゼのような中等度の症状から軽い症状の患者が大部分でした。 アデノウイルス14型には、アデノウイルス11型とアデノウイルス7型とが、遺伝子的に近いアデノウイルスと考えられています。 2007年のアメリカ合衆国の新兵訓練の基地でのアデノウイルス14型感染症の集団発生では、アデノウイルス7型に対する抗体を持っていた人は症状が軽かったとする報告があります 参考文献8,9。 米軍においては、アデノウイルス7型のワクチン接種による重症のアデノウイルス14型感染症の予防効果が期待されています。 2008年9月22日、アメリカ合衆国アラスカのPrince of Wales島の内科医が、アラスカの衛生局に成人の肺炎患者の多発を報告しました。 10人の肺炎患者が発生し、その内3人が入院し、1人は死亡していました。 アラスカの衛生局とCDC 米国疾病管理・予防センター とが協力して対処して、レポート 参考文献10 をまとめています。 この肺炎患者の多発は、アデノウイルス14型の新しい強毒変異株によるものでした。 2008年9月1日から10月27日にかけて46人の患者が確認されました。 患者の年齢は、2-95歳で、中央値は47歳でした。 有症期間は、1-41日で、中央値は14日でした。 死亡した患者は一人でした。 死亡した患者は慢性閉塞性肺疾患 COPD があり酸素療法を必要としていましたが、入院を拒絶し十日の内に死亡しました。 原因のはっきりしない呼吸器感染症の多発があった場合には特に、アデノウイルス14型による感染症を鑑別診断の一つとするべきであると、アメリカ合衆国の医師たちにCDC 米国疾病管理・予防センター は勧めています。 アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン が、2011年3月16日水曜日、アメリカ合衆国で認可されました。 日本では認可されていません。 このワクチンは錠剤です。 アデノウイルス4型を含む錠剤とアデノウイルス7型を含む錠剤とを、一錠ずつ、それぞれ、かむことなく、まるごと飲み込んで服用します。 錠剤をかんでしまうと、錠剤の中心部に含まれている生きているアデノウイルス4型・7型が上気道内を広がってしまう恐れがありますので、錠剤をかんではいけません。 生きているアデノウイルス4型・7型が上気道内を広がると急性上気道炎を発病する可能性があります。 嘔吐や下痢の見られる場合は、服用を延期します。 ワクチンのアデノウイルス4型・7型が消化管内で増殖することで、免疫が獲得されます。 アデノウイルス4型を含む錠剤が100錠入った瓶とアデノウイルス7型を含む錠剤が100錠入った瓶とがあります。 アデノウイルス4型を含む錠剤とアデノウイルス7型を含む錠剤とでは、錠剤の色が違います。 摂氏2-8度で保存することで、製造日から2年間 24か月間 有効です。 ワクチンの効能としては、アデノウイルス4型・7型による発熱性の急性呼吸器疾患の予防です。 17-50歳の兵士に推奨されます。 ワクチンを服用してはいけない人は、 1 妊娠している人、 2 ワクチンの成分に対して強いアレルギー反応が見られる人、 3 ワクチンの錠剤を、かむことなく、まるごと飲み込んで服用することができない人、 です。 アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン を妊婦が服用してはいけません。 また、ワクチン服用後6週間は妊娠を避ける必要があります。 アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン が妊娠に悪影響を与えるかどうかは明らかでありません。 先天性あるいは後天性の免疫不全の人たちでは、安全性や有効性が評価されていません。 アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン は、16歳以下の小児について、安全性や有効性が評価されていません。 また、臨床試験の対象に65歳以上の人が含まれていなかったため、65歳以上の人についても、安全性や有効性が評価されていません。 ワクチンを服用した人からは28日間以内での便中へのウイルスの排泄がありえますので、ワクチンを服用した人や身近な人は、便中へ排泄されたウイルスが広がらないように注意しましょう。 便中へ排泄されたウイルスが、ワクチンを服用した人を含めて、口や鼻から入ると急性上気道炎等を発病する可能性があります。 ワクチンを服用した人はトイレの後、しっかり手を洗いましょう。 ワクチンを服用してから28日間以内においては、7歳未満のこどもや、免疫不全の人 HIV感染症患者、癌患者、免疫抑制剤で治療中の患者等 、妊婦との接触には特に注意しましょう。 よく見られる副反応としては、上気道炎、頭痛、鼻詰まり、のどの痛み、咳、関節痛、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などです。 アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン のウイルスは、弱毒化されていない、病原性のあるウイルスです。 飲みこまれた錠剤はそのまま胃を通過し、小腸でウイルスを放出します。 ワクチンを服用した人の小腸内でウイルスが増殖することで、発病することなく免疫が獲得されます。 1739人を対象としたアデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン の臨床試験で、アデノウイルス4型に対して一回の服用で94. 1051人を対象としたアデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン の臨床試験で、アデノウイルス7型に対して一回の服用で93. アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン のウイルスが小腸内でウイルスが増殖する限りでは発病しませんが、ウイルスがウイルスに対して免疫がない人の眼・鼻・口から侵入すると発病する恐れがありますので注意が必要です。 アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン については、以前はWyeth社が製造していました。 1971年から米軍の新兵での接種が行われていましたが、1996年にWyeth社が製造を停止して、米軍の新兵での接種は1999年始めまでで中止に至りました。 その後、2001年に、アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン の復活について、米国バージニア州のBarr Laboratories社に任せられることになりました。 アデノウイルス4型・7型ワクチン 経口・生ワクチン については、現在はBarr Laboratories社が製造し、米軍の新兵での接種が行われています。 アデノウイルス4、7型のワクチンについては、当・横浜市衛生研究所ウェブページでも触れていますので、ご覧ください。 参考文献• Sharon L. Ludwig, John F. Brundage, Patrick W. Kelley, et al. ; Prevalence of Antibodies to Adenovirus Serotypes 4 and 7 among Unimmunized US Army Trainees: Results of a Retrospective Nationwide Seroprevalence Survey ; The Journal of Infectious Diseases JID 1998; 178 December : p. 1776-1778. K Jarecki-Khan, SR Tzipori, and LE Unicomb ; Enteric adenovirus infection among infants with diarrhea in rural Bangladesh ; Journal of Clinical Microbiology JCM , Mar 1993, Vol. 31, No. 3, p. 484-489. CDC ; Acute Respiratory Disease Associated With Adenovirus Serotype 14 --- Four States, 2006-2007. 45, p. 1181-1184. 米国4州でのアデノウイルス14型による急性呼吸器疾患、2006-2007年 ; 病原微生物検出情報 月報 、国立感染症研究所,Vol. 29 No. 1 No. 335 ,2008年1月,p. 24 24 -25 25. : 参考文献3の紹介記事。 Kendall, R. Riddle, H. Tuck, K. Rodan, B. Andrews, and J. McDonald. ; Pharyngo-conjunctival fever. School outbreaks in England during the summer of 1955 associated with adenovirus types 3, 7, and 14. ; BRITISH MEDICAL JOURNAL BMJ , July 20, 1957;2; p. 131-136. David Metzgar, Miguel Osuna, Adriana E. Kajon, Anthony W. Hawksworth, Marina Irvine, and Kevin L. Russell. ; Abrupt Emergence of Diverse Species B Adenoviruses at US Military Recruit Training Centers. ; The Journal of Infectious Diseases JID , 15 November 2007; 196:p. 1465-1473. Respiratory and Enteric Viruses Branch, National Center for Infectious Diseases, Centers for Disease Control and Prevention. ; November 20, 2007. Tate, M. Bunning, X. Lu, C. Panozzo, L. Lott, J. Su, M. Prill, B. Johnson, N. Johns, L. Brosch, D. Erdman, V. Fonseca, L. Anderson, M. Widdowson; Adenovirus 14 Illness among Basic Military Trainees, 2007. ICEID International Conference on Emerging Infectious Diseases 2008, March 16-19, Atlanta, Georgia, USA. Slide Sessions and Poster Abstracts, p. 47-48. Tate JE, Bunning ML, Lott L, et al. Outbreak of severe respiratory disease associated with emergent human adenovirus serotype 14 at a US Air Force training facility in 2007. 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